ヒント① 参議院選挙の制度と結果

選挙について詳しくない方も多いと思いますので、簡単に参院選の制度と結果について述べておきます。これは、交絡因子探索のヒントでもあります。

参議院では全議員のうち半数ずつを、3年に1度の選挙で選んでいます。問題の記事が対象とした2013年参院選では、73人の議員を47都道府県別の選挙区で、48人の議員を全国一区の比例区で選んでいました。

都道府県別選挙区で選出される議員の数は、都道府県の人口に応じて選挙区ごとに異なります。最多の東京では5人(当時。2019年以降6人)の議員を選出した一方で、31の県では1人の議員しか選出していません。

比例区では、投票者は政党か政党が提出した名簿に記載された候補か、どちらかに投票します。政党が獲得した票は政党票、候補が獲得した票は個人票と便宜的に呼ばれています。この政党票と政党名簿登載候補全員の個人票を合算してその政党の得票とし、その数に応じて比例的に各党に獲得議席を配分します。2013年の選挙では、各党の中では個人票の多い候補から順に配分議席数まで当選する方式が採用されていました。

2013年参院選で共産党は、都道府県別選挙区では沖縄以外の46選挙区に各1名の候補を擁立し、東京(5人区)、京都(2人区)、大阪(4人区)の各選挙区で議席を獲得しました。17人の候補を名簿に登載した比例区では、約10%の得票率で5議席を獲得しました。

比例区の制度はやや複雑で共産党の候補者数も少ないので、都道府県別の選挙区に限定して考えるとわかりやすいでしょう。

ツイッターアプリ
写真=iStock.com/Wachiwit
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ヒント② フォロワー数が多ければリツイートも多くなる

ツイッターでは、ユーザーは他のユーザーを「フォロー」します。そうすると、フォローしたそのユーザーの投稿が自分自身の「タイムライン」に自動的に配信されてきます。読んだ投稿を「リツイート」すれば、自分をフォローしている人=「フォロワー」にその投稿を再配信することもできます。

興味を引く、自分が賛同する、あるいは酷い内容のツイートを、各ユーザーはリツイートします。強い反応を呼び起こすような投稿は、連鎖的にリツイートされていきます。これを記事のように「拡散」と呼んだりします。

なお、あるユーザーをフォローしていなくても、多くの場合はそのユーザーの呟きを読むことができます。ただし、リツイートで再配信されてこない投稿は、わざわざそのユーザーのページに読みに行かなければなりません。逆側から見れば、自身の投稿がリツイートされるか、そしてどれだけ拡散されるかは、まず自分のフォロワーがどれだけいるかにかかってきます。フォロワー数の多い人気ユーザーであれば、それだけリツイートも広がりやすいのです。

したがって、リツイートの数は基本的にその人のフォロワーの数によって決まると言えます。つまり、フォロワー数が少ない人よりも多い人のほうがリツイート数は多くなるのです。