「お出まし」は少ないがオンライン公務が多い

一つずつ反論するつもりはないが、①の「お出まし」については検証してみた。朝日新聞デジタルの「皇室7days」に毎週、皇族方の予定がアップされる。それを1年分(2021年5月14日〜2022年5月29日)チェックした。外出を伴う公務(宮中祭祀を除く)を数えると、彬子さま12回、佳子さま1回。確かに佳子さまの「お出まし」は彬子さまより少なかった。

が、予定された日程全部を数えると、彬子さま39回、佳子さま35回。そこから宮中祭祀や儀式を除くと、彬子さま23回、佳子さま18回でさほど差がない。わかるのは佳子さまがオンラインでこなす公務が多いということで、「お出まし」数の差はコロナ禍への対応の違いが大きいと思われる。

そして、公務は回数だけでなく内容も見るべきだろう。個人的見解だが、佳子さまの公務は「山椒」のようだ。「小粒でもぴりりと辛い」のだ。何が言いたいかというと、さほど多くなくとも無難にまとめず、まっすぐに意見を述べるのだ。

例えば2021年10月10日、佳子さまは「国際ガールズメッセ100周年記念式典および表彰式」をオンライン視聴し、そこにビデオメッセージを送っている。そこで佳子さまは、ジェンダーギャップ指数が120位という日本の現状を「とても残念なことです」とし、こう述べた。

「今後、ジェンダー平等が達成され、誰もがより幅広い人生の選択肢を持てるようになることを、自らの可能性を最大限生かす道を選べるようになることを、そしてそれが当たり前の社会になることを切に願います」

皇族の立場からジェンダー平等を訴える「大胆さ」

ジェンダー平等に納得してない人が多いことは、「本音を吐露→炎上→謝罪」が後を絶たないことからもよくわかる。が、佳子さまはためらわず、ジェンダー平等に舵を切る。今を生きる女性なら当然のことだが、皇族という立場からはたやすいことではないと想像する。

こういう佳子さまの「大胆さ」をファッションで見たのが5月7日、「森と花の祭典『みどりの感謝祭』」だった。秋篠宮さま、眞子さんと継いできた名誉総裁に佳子さまが就任、この日が初めての挨拶だった。

男女平等の概念
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週刊新潮は「皇居以外での公的な行事にお出ましになるのは、2020年1月以来、実に1年半ぶり」と書いていたが、私が驚いたのは佳子さまのいでたちだった。大きな花柄の上下に薄いピンクのジャケットだった。

ちなみに3年前、眞子さんはこの式典で、淡いグリーンのワンピースを着ていた。以前、秋篠宮さまと共に参加していた紀子さまのファッションも、グリーンが基調だった。だが、佳子さまはピンク基調の花柄。着るものにも、己を打ち出す。そういう人なのだと思う。