まずは「嫌われない人」の話し方を目指そう

では、あなたが選択すべき「アサーティブ型」を説明しましょう。

【③配慮できる人の「アサーティブ型」】
自分の考えや気持ちを正直に伝えつつ、相手の想いも素直に受け止めるコミュニケーション、これが「アサーティブ型」です。

まず「DESC法(デスク法)」を知っておくといいでしょう。新人であっても、スグに飛躍的にセンスのいい対話ができるようになる話法なのでお勧めです。私の研修でも紹介しています。

DESC法とは、「Describe:事実を描写する」「Explain:意見を述べる」「Specify:提案・相談する」「Choose:選択を求める」の流れで主張する方法です。

言いにくいときや、場の空気を読んだほうがよさそうなときなどに、遠慮をせずに、配慮をしながら主張できるようになります。たとえば、こんな感じ。

「急ぎで、この資料をまとめてくれないかな?」と頼まれて……
〔事実を描写(語る)〕かしこまりました。実は、取引先との約束があり、
〔意見を述べる〕こちらを優先すると、今日の作業が難しい状況なのです。
〔提案・相談する〕差し支えなければ、明日の対応でもよろしいでしょうか?
〔選択を求める〕とはいえ、ご事情もあるかと存じます。いかがなものでしょうか?

ポイントは、いきなり主張するのではなく、まず「事実(描写)」から話して、その上で「自分なりの意見(説明)」を説明し、状況を理解した上で、「相談(提案)」をする流れで、配慮のある主張を示している点です。

事実や意見を言う前に、いきなり「明日の対応でも……」と返事をすると、アグレッシブ型の対話(嫌われる対話)になりかねません。言いにくいことの主張や、お願いごとをしたい際は、さりげなくDESC法を使えるようにしておきましょう。

ポイント:配慮ある人は、実はDESC法を使っている

説明や質問をする際は「結論から」がルール

DESC法と合わせて覚えておきたい話法が、PREP(プレップ)法です。

PREP法とは、単刀直入に、言いたいことから話す話し方で、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(実例・具体)」「Point(結論)」の順で話します。

先ほどのDESC法は、相手の「感情をケアする際」に用いるのですが、このPREP法は、説明や連絡、時には質問をする際などに用いる方法です。

会議で談笑するビジネスマン
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです

まず、こう考えてください。

仕事での会話の基本は、PREP法で統一する。ただし、感情にケアをする必要があると思えば、前述のDESC法に切り替える。では、このPREP法をやってみましょう。こんな感じです。