※本稿は、並木秀陸『はぶく勉強法 20万人が証明 インプットを8割削って一発合格』(秀和システム)の一部を再編集したものです。
「時間がなくて」が口癖の人でも試験は突破できる
不動産会社に勤める2人。勉強時間を確保できるときには1日中勉強に励むAさんと、勉強時間が確保できず、なにかと「時間がなくて」が口癖のBさん。
この2人であれば、やはり合格するのはAさんだろうと思うかもしれません。
しかし、Aさんのように長時間勉強しているだけでは、合格するかはわかりません。どれだけ長い時間かけても、合格するために役立つ勉強をしているかどうかによって、その効果は違ってきます。
効果のない勉強を長時間続けても、合格率が上がるはずがありません。
さらに言えば、そもそも人間は長時間、集中し続けることができません。きっとAさんも、ボーッとする時間や、ほかのことに気を取られている時間もあるはずです。もしAさんが、勉強が好きで好きでたまらない人であれば、集中力も続くかもしれませんが。
一方、Bさんはなかなか時間が取れません。仕事さえしていれば生活できるから、勉強などしなくてもいいのではないかという考えがよぎり、じつは資格試験の勉強をやめようと思ったこともありました。それでも、会社から資格を取るように言われていたこともあって、覚悟を決めて勉強を続けることにしたのです。
通学→通信学習に、講義は倍速で
覚悟は決めたものの、そもそもBさんは、長時間勉強し続けることはできないし、向いていません。そこまでの集中力が自分にはないと割り切り、時間がなければないなりに、どうすればいいかを考えなければと悩みました。
そこでBさんは、申し込みはしたものの、多忙のためなかなか通えていなかった予備校の講義を、通学から通信で映像を見ることができるコースに切り替えることにしました。さらに、時間がないことから、どの講義も倍速で聞くようにしたのです。講義といっても講師がしゃべっているだけですから、知識をインプットするためであれば、Bさんとしては聞き取れれば充分でした。倍速にしても問題なかったため、90分の講義を半分の時間で聞くことができました。
Bさんは、ほかにも時間を短縮することを考えました。たとえば、わからないことがあっても、悩む時間も調べる時間もないのだから、悩むよりも調べるよりも人に聞くほうが早いと割り切りました。そこで、わからないことがあったら、申し込みしている予備校の講師に質問しに行けばいいと決めたのです。
もちろん、わからないことがあるたびに聞きに行くわけではなく、わからないことをまとめておいてから聞きに行きます。
さらに、講師に質問する前には、必ず「合格するために必要ないことなら、わからないままで構いません。それだったら、教えてくれなくてもいいです。私には時間がありませんから」と断っていました。