返済は早いほどトクするのが原則

人生最大の重荷、住宅ローンの負担を少しでも軽くするのが繰り上げ返済だ。特に、60歳以降にも住宅ローン返済が続くような場合には、期間短縮型の繰り上げ返済を計画的に行って、できれば定年退職時にはローン返済が終わっていれば理想的といえる。

図を拡大
繰り上げ返済は早い時期ほど有利

繰り上げ返済は、早いうちに行うほど利息軽減効果が高い。たとえば借入額3000万円、金利2.5%、期間35年の固定金利ローン(元利均等型)の場合、100万円を返済開始から2年後に期間短縮型で繰り上げ返済したときの利息軽減効果は約123万円になる。この金額は概ね、返済した100万円に対して、1年8カ月短縮(中抜き)された返済期間中に払うはずだった利息分にあたると考えればよい。表のように短縮される期間は繰り上げ返済の時期が遅くなるほど減少し、これに合わせて利息軽減効果も減少する。

つまり、繰り上げ返済は原則として早く行ったほうがトク。ただし、住宅ローン控除を受けている期間中は、少しだけ事情が異なる。

住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高が対象となる。もし12月のボーナスを受け取ってすぐに繰り上げ返済すると、年末の住宅ローン残高がその分減って、控除額も減ってしまう。控除率が1%の場合、100万円を繰り上げ返済すると、控除額は1%の1万円だけ減少する。住宅ローン控除は控除額がまるまる戻ってくる税額控除なので、還付される額が1万円減るから、ちょっと痛い。