苦しかった「受講者ゼロ」時代

もっとも、ソエルが前身となるサービスを開始した16年当時は、まだオンラインレッスンが当たり前ではなかった時代。

インストラクターがオンライン越しに熱心にレッスンを行っても、誰ひとり視聴していない「受講者ゼロ」のケースもあったとか。そのため、時にはインストラクターやスタッフの士気が上がりにくかったそうです。

しかし、いまや受講者ゼロのケースは「ほぼ皆無」だと越塚さん。「ヨガやピラティス、ズンバなど人気のレッスンでは、一度に500人以上が受講することもある」というから驚きます。

18年以降、順調に会員数を伸ばしてきた理由は、大きく2つありそうです。

1つは、「微妙な女ゴコロ」をくすぐる仕掛け。

ソエルは入会後30日間はトライアル扱いで廉価〔100円~/税込み(以下同)〕にてレッスンを受けられるほか、その後は「スタンダード」「プレミアム」「プレミアムライト」のおもに3コースから好きなレッスンパターンを選べます。

スタンダードとプレミアムの顕著な違いは、ライブレッスンの受講回数。前者は月4回まで(2178円~/月)と制限付きですが、後者は無制限(6578円~/月)で受講可能です。

一方、プレミアムライト(4378円~/月)と他の2つの大きな違いは、インストラクターに直接指導を受けられるかどうか。実はここに、女ゴコロに配慮した絶妙な仕掛けがありました。

「赤ちゃん泣いたら保証」で断念したレッスンも再受講可

プレミアムライトの会員は、直接指導を受けることはできず、画面は視聴専用の「ギャラリー枠」のみ。対するプレミアムと先のスタンダード会員は、自身の状況や気分に合わせて、ギャラリー枠か、あるいは指導を受けられる「ポーズチェック枠」かを選べます。

ギャラリー枠では、PCやスマホのカメラがオフになるため、「お部屋が散らかっていたり、起き抜けですっぴんを見られたくなかったりするときにお薦めです」と越塚さん。

対する「ポーズチェック枠」は、インストラクターにヨガのポーズなどが正しいか見てもらいたいときのほか、たとえば自慢のヨガウエアに身を包み、バッチリメイクもキメて「私を見て!」と伝えたい気分のときなどに利用する女性もいるそう。

もしレッスン直前(開始10分前)にわが子(0~36カ月の赤ちゃん)が泣き出して入室できなかった場合でも、「赤ちゃん泣いたら保証」が適応され、再度受講できるとのこと。ママたちの繊細なココロに寄り添う配慮も、人気を後押ししていそうです。