▼人気商品は少し高くても買いたい
このように、円がたくさん買われると価格は上がり、逆にたくさん売られると円の価格は下がります。それがレートの動く基本的なメカニズムです。
では、なぜ通貨は売り買いされることで価格が動くのか?
おいしくて有名な饅頭屋はいつも大繁盛しています。たくさん売れますが値段が高くなったという話は聞きません。それはお店が価格を決めて管理しているからです。
しかし、通貨は売る人も買う人も無限にいますから、特定の人物が価格を決めることはできません。これを経済学では「市場メカニズム」によって価格が決まるといいます。
基本的に市場では、売り手と買い手がたくさん存在し、買いたい人は少しでも安く買おうとし、売りたい人は少しでも高く売ろうとします。価格が上がり始めると、買いたい人は少し高い金額でも買います。このとき売りたい人は、高く売れそうだから高い価格で売りを出します。
その繰り返しで、しだいに価格が上がっていくのです。そして、買い値が高くなりすぎたとみんなが考えたときに、価格上昇がストップします。
[市場メカニズム]需要(買いたい)の量と供給(売りたい)の量のアンバランスを、価格の変動によって自動的に調整するしくみ。