「ロックダウンで唯一よかったことは…」

冒頭で紹介したデリバリー配達員が同じインタビューの中で、こんなことを語っていた。

「今日、いいことがあったんだ。配達に行ったら、お客さんが『何か困っていることはないか』と聞いてくれたので、『橋の下に寝泊まりしているので充電ができない。モバイルの充電器を貸してもらえないか』といったら貸してくれた。すごくうれしかった」

また、4月18日の動画を見たという女性から、橋の下に150個の“思いやり弁当”が届けられた。温かい食べ物が恋しいだろうということで差し入れられたようだが、これに対し、配達員からは段ボールの切れ端にお礼の言葉と、一人ひとりのサインが入れられ、差し入れした女性に届けられた。紙がなかったから、手元にあった段ボールをちぎって書いたという。

SNS上には「デリバリーのお兄さん、お疲れさま。ありがとう」と呼びかけて、配達員のためにパンと牛乳を差し入れする動画などもたくさん投稿されている。上海のSNS上には「ロックダウンで唯一よかったことが、上海人が社会の弱者に対して目を向けられるようになったこと、誰かに思いやりの気持ちを持つことができるようになったことだ」という書き込みもある。

【関連記事】
「このままでは中国政府に殺される」自宅に軟禁された上海市民2600万人のSNSには書けない叫び
カリスマ女優には156億円の罰金…中国で「芸能人」より「公務員」の人気が高まっているワケ
「日本をパクるのはもう恥ずかしい」劣化コピー品に喜んでいた中国人が激変したワケ
不動産バブル崩壊で、いまや世界経済のお荷物に…中国経済を迷走させる習近平政権の断末魔
平均余命が7歳縮む…「中高年のダイエット」が危険すぎるワケ