市場には2種類のトレーダーがいる。ノイズ・トレーダーとアービトラージャーだ。ノイズ・トレーダーは、トレンドを創造する。右脳派で感情的だ。アービトラージャーは、異常値からの平均回帰に賭ける。こちらは左脳派で論理的だ。タレント弁護士として活躍していた橋下氏は一見、ノイズ・トレーダーである。しかし、その本質はアービトラージャー。それが、一連の“橋下本”を読んだうえでの私の見立てである。

政治家・橋下徹の主張がコンパクトに纏められているのが本書だ。「20年間、『下り坂』の続く日本。人を替えても(政権交代)、仕方を変更(政策転換)しても良くならない。これを救う道はただ一つ、体制(システム)を変えることです」と言う。具体的にはどういうことか。