良くも悪くも科学は現代社会を揺るがす要素の一つとなっているが、科学の総体を知ることは決して容易ではない。本書はその全体像を把握するために役立つポピュラー・サイエンス本を集めて解説したものである。

著者は日本を代表するSF作家で、理系大学院在学中に書いた『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞した。ベストセラー小説家が理系本のレビューを書けば、親切なナビとなる。なにしろ文章と科学の両方をよく知っているからだ。

ここで興味深いのは、評者自身がこれまで紹介した本がいくつも含まれている点だ。すなわち、良い本は誰が読んでも良い本なのである。また、選んだ本の横に添えられた双葉マークと本葉マークも、読者の便を考えた親切な試みである。こういう工夫を惜しまないところに、著者の人柄がよく表れている。