碩学の井筒俊彦氏曰く、「かつて露西亜人は世界の各国の基督教徒の中でも比肩するもののないほど素朴で敬虔な信者だった。然るにその彼等が、革命の勃発と共に、世界宗教史上例のない冒涜の限りをつくして基督を否定し神を誹毀した」
「鳩のごとく柔和なロシアの人間がひとたび激情に攪乱されると、あらゆる既成秩序をぶち壊し、ドストエフスキーではないが、『無辜なる民の血をまるでシャンパンのように流しつつ』荒れ狂う残忍で狂暴な人間に変貌してしまう」
本書でも凄惨な歴史が語られている。ロシア革命後のロシアでは、スターリンによる1000万人単位の大粛清、数百万の犠牲者を出した飢饉に見舞われた。それは災難ではなく、農民に対して、支配者は誰かを見せつけるために意図したものだとされている。「非人間的で想像を絶する悲惨さ、恐るべき災厄」とは、飢饉による大量抹殺のあったウクライナを訪れたパステルナークの言葉である。
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