妻の持病はメニエール、ある日入浴後に天井が回り始め……

退院後も、夫は週に1~2度は通院が必要だった。

救急車
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6月。知多さんは耳鳴りが始まったので、薬をのみ、早めに就寝。翌朝はいつも通り起床できたが、夕方からまた不調に。夕食後あたりからめまいが始まり、様子を見ながら入浴したものの、入浴後に天井が回り始め、再び薬を飲みすぐに布団へ。

「私がメニエールのときの対処法は、夫は長い付き合いなのでよくわかっていて、不自由な身体で頑張って濡れタオルやティッシュペーパー、ペットボトルに水、嘔吐用に洗面器などを持ってきてくれました」

7月になると、夫は熱が上がったり下がったりを繰り返し、4日目に救急外来を受診。血液検査の結果、「CRP(炎症反応)」の値が高くなっていた。

「入院しますか?」と医師に聞かれ、「今日は帰ります」と夫。数日後に義父の初盆法要があるため、「お願いします」とは言えなかったのだ。

「腰が痛くてどうしようもない」「寒い」……夫が重篤な状態に

数日後、何とか無事に初盆法要を終え、7月末の深夜1時過ぎ。知多さんが眠っていると、夫が声をかけた。

「腰が痛くてどうしようもない」

とりあえず市販の鎮痛剤を服用させるが、「寒い」と言ってブルブル震え始める。通院中の病院に知多さんが電話すると、救急車を呼ぶよう指示される。

病院に到着後、尿検査や血液検査などを行った結果、痛みの原因は「石」だと言われ、夫はそのまま入院。翌朝、夫の入院準備をして知多さんが病院へ行くと、夫の熱は40度に上がっていた。

朝、出勤してきた専門医が詳しく診察したところ、夫は「腎盂腎炎」と診断される。

病の再発ではないと聞き、知多さんも夫も安堵したが、「腎盂腎炎」も侮れない。40度の熱が3日ほど続き、熱が下がっても夫は、しばらくベッドから起き上がれなかった。

主治医の話によると、もっとも状態の良くなかっときの夫は、腎盂腎炎から敗血症を発症し、大変重篤な状態だったようだ。

8月、夫は退院したが、その後も夫はたびたび尿路結石と腎盂腎炎による熱発を繰り返した。