2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年11月26日)
閉店時間を過ぎようとしているのに、お客がなかなか帰ろうとしない。そんなときはどうすればいいのか。銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美さんは「直接、『帰ってくれ』というわけにはいかない。そのために婉曲的な表現を覚えておくといい」という——。
※本稿は、伊藤由美『できる大人は、男も女も断わり上手』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。
義姉から送られてきたおさがりをどう断るか
仕事関係やご近所さん以上に断わり方に悩まされるのが、肉親や親戚など血縁関係にある人からの頼まれごとや誘いの申し出を断わるというケースです。近すぎるがゆえに、もしヒビが入った場合、その後のつき合いはとても重苦しいものになってしまうでしょう。
以前、NHKの情報番組「あさイチ」の「断わり上手」の回に出演させていただいた際、視聴者の方々に書いていただいたアンケートのなかに、「義理の姉から子どもの洋服の“おさがり”が山ほど送られてくる。
しかもちょっと汚れていたり、デザインが古かったりで、着せられないような服ばかり。なのに着せているかどうかを聞かれて、困っている。どう断わったらいいか教えてほしい」という声がありました(放送ではオンエアされなかったのですが)。
義理の姉というのがまた悩ましいところ。とくに嫁の立場にいる人にとって義理の関係は大きなストレスの原因になります。キッパリ断わりたい、でも機嫌を損ねたくない——その心情は本当に深刻なものでしょう。
この質問に対しては、出演者のなかでもいろいろの意見が出ました。さすがに捨てるわけにもいかず(もし見に来られたら言い訳できない)、かといって着られるようなものでもない。侃々諤々意見を交わして最終的に落ち着いたのは、
いつも気にかけていただいてありがとうございます。でも近所に年上のお友だちがいて、その家からいつも洋服をいただいているんです。わざわざ郵送していただくのは、とても心苦しいので、これからはお義姉さんのお気持ちだけいただきます。
と、ていねいにお断わりするのがベストではないかという答えでした。
基本的には、義姉がよかれと思って好意で送ってくれたもの(だと思いましょう)。最初から「着ないから」「趣味が合わないから」と拒絶せず、まずはその好意に感謝をして受け取るのが大人の対応と言えそうです。