大企業は国会議員の口利きなど必要ない

数年前に国会で問題にされたため、あっせん制度は2010年に、一応、廃止されました。しかし、今でも内々では行われています。この制度に関しては、国税職員の間でも常々疑問に思われていることなのですが、最高幹部のやっていることなので、なかなか廃止できないというのが、実情です。

大村大次郎『実録! 税務署の怖い話』(宝島社)
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そして、日本の大企業の大半は、国税の大物OBと何らかの形でつながっています。顧問にしたり、職員として受け入れたりもしています。そのため、大企業が厳しい税務調査を受けることはないのです。

国会議員の口利きなどは、この大企業と国税庁の癒着に比べれば可愛いものです。国会議員が口利きをする企業というのは、だいたい上場企業ではなく、中小企業に毛の生えた程度の規模がほとんどなのです。

本当の大企業は、国会議員に口利きなど頼まず、国税の大物OBとあらかじめつながっているのです。

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