スポーツバカ親にならないためにすべきこと
中学、高校の指導者はそれぞれのステージで結果を求められる。それは現状のシステムでは仕方ないことだろう。では、どうすれば子どもが犠牲にならずに済むのか。親がしっかりと導くしかない。
親はジュニア期の結果(順位や試合の勝ち負け)に一喜一憂しない方がいい。意識すべきは他者との比較ではなく、子どもの成長を評価することだ。できないことができるようになれば、それは成長になる。褒めることで、子どもはうれしくなり、さらにモチベーションを高めていく。
そうなれば自分で考えるようになる。どうやったらうまくなるのか。速くなるためにはどうしたらいいのか。自分で考えて、競技に取り組むことで、それが将来につながっていくのだ。
他にも親が気をつけるべきことがある。それは食事(栄養)と未来を見据えての計画性だ。いくら一生懸命に練習をしても、食事内容が不十分だと、リカバリーがうまくいかず、疲労骨折など故障を引き起こすリスクが高くなる。給食以外の食事は基本、家庭で賄うことになる。子どもたちの身体を考えて、栄養バランスを考えた食事を提供したい。
それから計画性だ。まずは子どもと将来の夢を共有して、各世代の強化ポイントをしっかりと説明しよう。子どもとコミュニケーションをとって、学校でどんなトレーニングをしているのかも把握しておきたい。各世代の成長セオリーを明らかに無視するような指導者がいたら、自分で“調整”するように促す必要があるだろう。とにかく先を見つめて、子どもたちが一番高いステージで輝けるようにしっかりとナビゲートしていきたい。
自分が果たせなかった夢を子どもに押し付ける親もいるが、子どもは親の代替アスリートではない。子どもがスポーツで“正しく成長”していくには、親の“プロデュース力”がポイントになってくる。
運動部で頑張ったとしても、99.9%の人がスポーツを職業にすることはできないし、どんなに優秀なアスリートでもどこかで引退を迎えることになる。ひとりの人間として、ビジネスパーソンとして、スポーツで培った“経験”を生かせるようにしていくことが最も重要だ。そのためにも「自分で考える」ことがスポーツで一番大切になるのではないだろうか。