「おいしい」の定義が変わりつつある

【細見】今までは、健康志向という言葉がありましたが、今はそれよりもファミリー志向です。家族、家庭の中で食べておいしいものこそが、本当のおいしいものではないかと。「おいしい」そのものの定義が変わってくるのではないかと思います。家を基軸にして考えると、家は綺麗なほうがいいし、お店ももちろん綺麗なほうがいいでしょう。綺麗で家族的、家庭的においしいものがあればいい。おいしいものを追求するとはそういうことです。

お客さんが入ってきたらお声掛けができるような雰囲気づくりも大切です。それも含めて、QSC(Quality・Service・Cleanness)と表されるものの徹底がなければ、やはり商売としては駄目になると考えています。

【田中】私はかねてからSDGsやサステナビリティ、気候変動対策にしても、寄付活動などではなく、会社の芯から対峙するものだと思ってきました。消費者の嗜好が変わる中で行きすぎない、まさにその会社の芯から、おいしさの追求をどこまでやるのかも含めて、SDGsやサステナビリティに対応していくということだと感じました。コロナ禍でライフスタイルや考え方が変わっている中、これから先はどうやってSDGsやサステナビリティに対して手を打っていきますか?

【細見】会社の芯からさまざまなことをやっていくということですよね。昨年、私たちは中部エリアのある加盟店の発案で「ファミマフードドライブ」という取り組みを始めました。今まではファミリーマートのイートインを活用してお子さまやご家族に集まっていただいて、職業体験や食育や子ども食堂などをやってきました。それがコロナでできなくなったため、代わりにご近所の方にお声掛けをして、家にある過剰な食品を持ってきていただいて、困っているお子さまたちに届けようという活動を始めたのですね。これが非常に好評で多くの加盟店にもご理解いただき、1200店舗ほどに広がっています。

これは私たちだけではできず、NPOや自治体の協力を得てやっています。地域や自治体を巻き込み、一体となった取り組みが広まっている。その他にも、SDGsとしてカトラリー類に穴を開けて重さを軽くするという取り組みなどをしており、今後もファミリーマートらしいさまざまな取り組みをしていきたいと思います。

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