私はこれまで、さまざまな講演会に呼ばれたが、そういう場ではたいてい最後に質疑応答の時間がある。講演内容をさらに掘り下げる鋭い質問を受けることもあるが、ときに予期せぬ質問や少々的外れな質問のケースもあり戸惑う。
そのようなときどうするかというと、自分が得意とする「日本語」「話し方」といった内容に強引に引っ張り込み、答える。
自分の土俵に話を持ち込み、そこで私にしかできない視点で話を掘り下げることで、私独自の視点からの話題を提供することができると、聞き手も満足してくれる。
ビジネスのプレゼンの場などでも、同じことがいえるだろう。自分の得意分野に引きつけて答えることが、アピールにつながるのだ。
「自分も、相手も得をする」がベスト
一尋ねて一答えてもらうのは、相手は当たり前だと思っている。しかし、一尋ねて意外な「切り口」から答えをもらうと、相手は「得した」と思うものだ。相手が得だと感じるのだから、そう思わせた答えた側はもっと得をする。
うまく答えただけで、「なかなか鋭いじゃないか」「おもしろいことを言う人間だ」と、思わせることができるのだ。
「切り口」は無数に存在する。そのどれに焦点を当てるかで、答えの質は大きく変わる。
ただ、「切り口」があまりにも偏った目線だったり、独創的すぎると、「聞きたいのはそういうことではないのだが……」と相手を困惑させてしまうので注意が必要だ。
▼どんな質問も自分の持ちネタに引き寄せれば、的確な答え方ができる。
▼シンプルな「ジャンル」答え→オリジナリティあふれる「切り口」答えへ。
▼シンプルな「ジャンル」答え→オリジナリティあふれる「切り口」答えへ。