起業を後押ししてくれた宇野社長の一言
1998年1月4日、新年最初の出社日に、インテリジェンスの上司に辞意を伝えました。その日の夜、宇野社長からありがたい申し出をいただきました。
「起業には反対しない。けれども、渡辺君と組むのはやめて、君が社長になりなさい。経験豊富な渡辺君が、若い君の可能性を摘む恐れもあるんだ。その会社には50%出資するから、イコールパートナーにしてほしい。もちろん後から、藤田が筆頭株主になるよう、資本比率は引き下げる」
願ってもない大きなチャンスをいただき、私は起業に踏み出しました。継ぐべき会社も、コネも、特別な能力も持たない私が、就職して1年未満で社長になれたのです。それはなぜかというと、常に「目標」を意識し、自分に負荷をかけ、「心の筋力」を鍛えていたからという気がします。
何か目標がある場合、多少キツくても、自分を可能な範囲で追い込むことです。それも「人に言われたから頑張る」のではなく、「自発的に負荷をかけること」が大事なのかもしれません。
そういえば創業時に、宇野社長にこう釘を刺されたことがあります。
「馬とフェラーリさえ買わなければ、あとは何をしてもいいよ」
それは「おごるな」という警告であると同時に、「お前の会社には一切口は出さない」という優しいメッセージであったのかもしれません。