「占星術的に相性がよい人」と出会えるアプリ
また占星術と言えば、「Struck」という占星術を使ったマッチングアプリすらあります。これは、なんと「占星術的に相性がよい人」と出会うことができると謳っているアプリです。
既存のマッチングアプリは、相手の顔写真や、趣味や職業からマッチする仕組みですが、前回の記事でお話ししたように、出会いが多すぎて誰に決めていいのかわからない問題がある中で、このStruckは「運命(=この人しかいない!)」をデザインしているということです。もはやユーザーは、スペックの検索を無限に繰り返したところで、「この人だ」と決定するのが不可能なのです。
結局はタイミングや運が「決断」を促すのですが、まさにこのアプリは、占星術という「タイミングや運」をサービスに組み込むことで、「やっと、あなたに出会えた!」という感覚を提供しているわけです。
「決められない」人たちにとって、その意味で面白いサービスだと思います。
たしかに、占星術的に相性がいい人なのだと聞かされて出会えば、デートでもちゃんと礼儀正しく振る舞おうと思うかもしれません。
アメリカ人の10人に9人は、何らかの崇高な力を信じている
さて、こうしたスピリチュアリティのブームが起こっている中で、既存の宗教組織もさまざまな「変革」を通して、新たに若い人たちを惹きつけようと動いています。
ネットフリックスでも配信された映画「2人のローマ教皇」は、カトリック協会が、こんな映画を製作するんだ! と驚きと新鮮さがありましたが、伝統的な宗教も新しいかたちを模索しているように思われます。
非営利系の調査組織Pew Research Centerによる2019年の調査(つまり、コロナ前)によれば、アメリカでは、一般的な傾向としては「自分は、無神論者である、不可知論者である」あるいは「特に何もしない」と回答した人は2009年の17%から26%へと増えています。
しかし、2020年、コロナ後の同団体による調査によれば、米国の成人の24%が、パンデミックの影響で信仰が強くなったと答え、逆に信仰が弱くなったと答えたのはわずか2%でした。また、アメリカ人の10人に9人は、何らかの崇高な力を信じていると答えています。つまり、宗教への関心が強くなっているんですね。
同レポートによればこの増加は、黒人、女性、高齢者の間でより顕著であり、コロナウイルスがこれらの層に与えた影響が大きいことを反映している可能性があるとしています。
実際、英国のキリスト教系オンライン書店「Eden」では、2020年4月の聖書の売上が55%増加したそうです。これは、キリスト教だけの傾向ではありません。
Google Playのコーランアプリの全世界でのダウンロード数が、2月から3月にかけて倍増しているというデータもあります。日本でもお坊さんのユーチューバーとして有名な「大愚和尚」はチャネル登録者数が40万人もいて、人気を博しています。
このような新しいかたちでコミュニケーションを取る伝統的な宗教の団体も増えてきているんですね。宗教組織によるデジタル活用も盛んに行われています。特に、ネットによるライブストリーミングが盛んです。
キリスト教団体のTearfund(ティアファンド)の調査によれば、英国の成人の4分の1が、ロックダウン中に宗教的なオンライン・サービスを見聞きしたそうです。