相手に伝えたいことを確実に伝えるにはどうすればいいのか。日本テレビアナウンサー藤井貴彦さんの著書『伝わる仕組み 毎日の会話が変わる51のルール』(新潮社)から、「話し方のポイント」を紹介する――。(第1回)
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優先順位の「高いものから順番に」伝える

何かを説明する時に、私がまず手を付けるのは「伝えたいことの箇条書き」です。伝えたいことを思いつくままに書き出して、その優先順位をつけます。そしてその優先順位の「高いものから順番に」伝えていきます。

日本テレビアナウンサーの藤井貴彦さん(写真提供=新潮社)
日本テレビアナウンサーの藤井貴彦さん(写真提供=新潮社)

説明が苦手な方の特徴として、聞いている人が求めていない情報まで織り込んでしまって、いつまでも核心にたどり着かないという傾向があります。また、大切なことを言い忘れてしまうというまさかの失敗も起こりがちです。

聞いている方は美しい説明を求めているのではなく、有益な情報を短時間に得たいと思っています。この思いにぜひ、「聴衆ファースト」で応えてあげてください。

また、優先順位の高いものから伝えると話の構成がシンプルになるので、頭の中が整理しやすくなります。

「大切な順に説明して、その補足をする」

これを繰り返すだけで十分に説明となります。

もうひとつ、別の説明の仕方があります。

まずは大切な情報だけお伝えしてしまって、質問を受けるやり方です。自分から話をする「説明」は苦手な方でも、質問に答える「回答」は比較的難しくありません。

また質問に答えることは「補足」と同じ効果を持ちますから、説明が苦手だという方はやりとりを通して説明を完成させることも一つの方法です。これで説明する方も、説明を聞く方もスッキリするはずです。

しゃべるのが苦手という方は、しゃべりのバトンを持ち続けないことが大切です。まずは相手が知りたいことを想像して、優先順位をつけてみましょう。

映像を脳内で再生しながら話すといい

「説明が苦手」という皆さんに試してほしいことがあります。

それは自分の説明するものの「ショートムービー」を脳内で作成してから言葉にするということです。その映像に「導かれて」言葉が出てくるようになります。