職場の先輩からレイプされ、母親の虐待のフラッシュバックも

一人暮らしを始めてしばらくすると、緑川さんは自殺未遂や自傷をするようになっていた。

混んでいる電車や店などに入ると、息苦しさを覚え、そのうちに、大きな音でパニックを起こしたり、「ブスじゃん」「死ねよ」と知らない人に笑われていると感じたりして、人の目が怖くなる。そのうえ、母親の暴言がフラッシュバックするようになり、精神的に不安定に。

高校の養護教諭に勧められ、初めて心療内科へかかったが、金銭的な余裕がないことと、薬をもらってはオーバードーズをしてしまうことの繰り返しで、すぐに通院をやめてしまう。

薬
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「死んだら楽になれると思って、何度か自殺未遂をしましたが、死ねませんでした。リスカは血が出るのが快感で、大好きでした。薬のオーバードーズをするとフラフラしてきて記憶がなくなり、気付いたら知らない所にいたこともありました。とにかく、自分が当たり前に生きている感覚が嫌で、死にたかった。この頃は、痛みや苦しみを自分に与えることが目的で、日々生きていた感じです」

高校卒業後は介護の仕事に就いた。だが、施設利用者に対する職員たちの暴言が横行し、過剰な利益追求に走った施設の運営方針に馴染めず、緑川さんは心を病んでいく。さらに就職から1年後、夜勤中に先輩職員からレイプを受け、緑川さんはますます自傷にハマっていく。

母親(当時42歳)は、危ない男ととっかえひっかえ付き合い、「彼氏にDVされた!」と言っては緑川さんの部屋に逃げ込んで来るため、母親の痴話喧嘩に巻き込まれ、母親の彼氏に金品を要求されることも。その度に緑川さんはパニックを起こし、自殺未遂や自傷を繰り返した。