ブログやSNSで伝えるのは「和菓子の奥行き」
だから、それをいろいろな和菓子屋さんがこんなものを作ってるんだということを、ちゃんと面で表現して、メディアなり、百貨店の売り場なりで見せていかないといけない。若い世代にとっての和菓子は古臭い、ダサい、敷居が高い、重たいみたいなイメージでずっときてしまっているので、見た目が全てじゃありませんが、「あっ、こんなスタイリッシュな、かわいいパッケージで、こんな新しいお菓子を作ってるんだ」という発見をしてもらわないといけない。
というのを今まさに、イベントやプロモーションの中に落とし込んでいるところです。ツイッターをマメに更新してるのも、ツイッターを見ている人たちは百貨店のメイン顧客よりも若い層だからです。私が販売に立ってると、ハンドルネーム○○と申します、と会いにきてくれるお客様もたくさんいらっしゃるので、それは本当に嬉しい。
――アナログな世界の魅力をデジタルの力で伝え続けてきた成果ですね。
成果とまで言えるかどうかはわかりませんが、ブログやSNSで、僕は和菓子の奥行きを伝えようとしています。奥行きというのは、お菓子の名前の由来や、その表現力、いわゆる芸術性の部分ですけども、それを対面販売の場で説明するのにはものすごい労力がかかる。効率面でビジネスにならない。そこをカバーするひとつのツールが、ブログやSNSであったりするのですよ。
お取引先様とお客様と百貨店のわれわれが、三位一体で育っていく。それが一番大変で、一番大事なことです。そのやりがいがあるから、15年、やってこれたのだと思います。