最高の幸せを見つけるための4段階

では、どうすれば「エウダイモニア」が達成できるのか。ここで私が考える「エウダイモニア」達成までの道すじを述べてみよう。

第1段階は、安心して生きて行ける収入を確保することである。これなくしてはエウダイモニア達成などありえない。どんなに才能があっても安心して生きて行ける収入がなければ、ほかでお金を稼がなければならないから才能を開花させるどころではなくなる。

お金を計算する日本人女性
写真=iStock.com/kazuma seki
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ただし、安心して生きて行ける収入さえ確保できれば、それ以上のお金を稼ぐ必要はない。余分なお金を稼ぐことにエネルギーを費やすより自分の才能を開花させることにエネルギーを費やしたほうが「エウダイモニア」に近づけるというものだ(ただし自分の才能をフルに発揮した結果としてたくさんのお金が入ってきたというのであればそれはそれで「エウダイモニア」を達成したことになる)。

困難や脅威に対応できる「レジリエンス」を養う

すでに安定した収入を確保できた人は、第2段階として「レジリエンス」、つまり困難や脅威に対して適応できる力を養おう。

たとえば、野球、サッカー、将棋、ダンス、芸能などに秀でたいと夢見ている子どもたちはごまんといる。しかしそのほとんどは大人になる前にその夢を諦めてしまう。期待していた結果がなかなか得られず努力することが嫌になってしまうからだ。

成功者の言葉に「努力は噓をつかない」というのがある。しかしほとんどの人はちょっと理不尽なことにぶつかると「努力は噓をつくこともある(努力しても期待どおりの結果が得られないことがある)」ように見えてしまい、それが原因で早々に挫折してしまうのだ。

しかしここで思い起こしてほしい。この世は完全な世界ではなく、人間が作り出した不完全な世界である。だから間違いも起こる。不公平なことも起こる。起きてはならないことも起こる。そんなときにいちいち「こんなの理不尽だ、バカバカしい、やってられない」などといって挫折していては、「エウダイモニア」は達成できない。成功者は皆、大なり小なり理不尽な出来事を乗り越えており、逆にいえばそうでなければ成功者になどなれはしない。

なお、何事に対しても最初から過剰な期待をかけることなくフラットに現状を受け止めるようにすると、理不尽な出来事を乗り越えやすくなる。