張本勲氏は「MLBでは通用しない」と否定的だった

2021年ももうすぐ終わろうとしています。

コロナ禍が2年目となり、ワクチン接種率の増加や手洗い・マスクの徹底のせいか、オミクロン株の到来を迎えつつも、奇跡的に日本は感染者数の増加をぎりぎりのところで抑えてはいます。

そんな今年を振り返ってみて、やはり一番この国を明るくしてくれた話題は、何と言っても海の向こうでの大谷翔平選手の大活躍、大快挙ではないでしょうか。

笑顔で記者会見する米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手=2021年11月15日、東京都千代田区の日本記者クラブ
写真=時事通信フォト
笑顔で記者会見する米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手=2021年11月15日、東京都千代田区の日本記者クラブ

思えば2017年の11月、ポスティングシステムを利用してMLBへピッチャーとバッターの「二刀流」で挑むことを宣言した時は、日本国内でのリアクションは正直冷ややかなものでした。

その代表例が、野球解説者の張本勲氏でした。「大リーグで、ピッチャーとバッターを両方やるなんて無理だ」とはっきり言っていました(私は今でもその発言を覚えています)。

が、いきなり初年度の2018年に投手として4勝(2敗)、バッターとして22本(61打点)として結果を出すと、さすがの張本さんも「喝」ではなく「あっぱれ」と手のひらを返したものでした。

おそらく張本さんは、大谷選手を日本の野球という「物差し」でしか見ていなかったのでしょう。ところが当の大谷選手は物差しではなく「メジャー」だったというオチが待っていました。

以後、ひじの手術などを乗り越え、今年の大躍進へと至りますが、こんな傑出した人物を幾分牽強付会気味に落語の登場人物に当てはめるならば、誰だろうかと考えた揚げ句、浮かんで来たのがいました。

それが、与太郎です。