[和食] 堀兼

――堀内英弘の鋭い眼差し。直球勝負。ごまかしなし

主人・堀内英弘さんの気合が漲る和の名店。工夫されたメニューにも「和食は出汁」という哲学が活きる。「一茂さんはシンプルなものが好み。ごまかしのない真剣勝負で料理を味わっていただいています」。

●東京都港区白金台5-10-13 メゾンITO 1階 TEL.03-3280-4629 営業時間/18:30~23:00 日曜・祝日休 7品の「おまかせコース」(2万1000円~)のみ。カード各種。

おまかせコースの中から3品を。

1.「河豚の白子とトリュフの粥」の芳醇さ、濃厚さ。塩蒸し、裏ごしした河豚の白子にフランス産トリュフ、たれに漬け込んだ卵黄を合わせる。たっぷりとした食感がたまらない。
 2.「大トロの薄づくり」は店主が世界一美味いと推す北海道産本マグロを使用。薬味を混ぜてトロで包み、納豆おろしで食べる。トロの脂の上品な甘味と薬味の香り高さが口中に広がる。
 3.自慢の「かぶら蒸し」。下にブリの粕漬けの焼き物が隠れている。深い出汁の旨味を堪能できる。

[蕎麦] 六本木 竹やぶ

――六本木ヒルズの三冠王 蕎麦・つけ汁・酒に喝采を

32歳と若い店主・苅部政一さん。「竹やぶ」柏本店の天ぷら蕎麦のあまりの美味しさに弟子入りし、8年間修業した。契約農家から仕入れた玄蕎麦を自家製粉。水は厳選の湧水を使用。香り高く腰のある蕎麦を堪能できる。

●東京都港区六本木6-12-2 六本木ヒルズレジデンスB棟3F TEL.03-5786-7500
営業時間/11:30~15:30、18:00~21:30 日・祝は11:30~20:30 無休 カード各種。

1.一茂氏お目当ての「田舎そば」(1260円)。蕎麦粉の産地、水、手挽きにこだわった蕎麦好き垂涎の逸品。つけ汁のバランス(出汁の強弱)が抜群で、蕎麦を引き立てる。
 2.蕎麦を手繰る前に「からすみ」(1890円)で一杯。3種(写真左はからすみの粕漬け、右は味噌漬け)ともに自家製。程のいい味加減で選び抜かれた日本酒が進む。
 3.温かい「天ぷらそば」(2625円)がまた美味い。店主が揚げる海老かき揚げは椀にのって供される。「かけ」を味わった後に天ぷらをのせるのも楽しい。
 4.「ゆりねの吹き合わせ」(特別メニュー)といった季節のつまみも充実。

(構成・文=須藤靖貴 撮影=椿 孝、奥谷 仁)