破綻で地獄を見たJAL社員たち。大震災の大逆風の中、2011年度上半期は1061億円の営業利益を達成し、大復活を果たした。破綻から再生へ。稲盛イズムは、JALの何を変えたのか。
日本航空社長 大西 賢 おおにし・まさる●1955年生まれ。東京大学卒。78年、日本航空入社、成田整備工場点検整備部配属。以後、主に整備畑を歩む。2009年、執行役員。10年より現職。
2011年、10月21日、日本航空(JAL)社長の大西賢(まさる)は、岡山の地に降り立った。11月1日には、ライバル全日空(ANA)が、話題の最新鋭機ボーイング787を、岡山線に初就航させた。JALはその対抗の意味もあり、岡山便を増便した。大西が岡山を訪れた目的は、増便の宣伝を兼ねた自治体へのあいさつ回りだが、地元の旅行代理店、さらには岡山空港の整備部門も訪れた。大西は10年暮れから11年の5月にかけて、すべての国内拠点(36カ所)を回った。岡山は11年で2度目だ。大西が地元の旅行代理店である両備ツアーズを去った後、同社常務の小童谷(ひじや)靖則に「JAL破綻前と破綻後の違い」について聞いた。
「友好関係は変わらないのですが、リクエストに具体的な数字が入るようになりました。以前は『がんばりましょう』で済んでいましたから。営業活動へのやる気をうまく引き出してくれます」
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