会議の目的は「アイデア出し」と「決定」で分ける

「何かいいアイデアを出して」と主催者が指示し、参加者が恐る恐る意見を出すと、「それは間に合わないですね」「それは予算がないからできないですね」などと頭ごなしにダメ出しをしていくパターンがよく見られます。当然、避けるべき状況です。

アイデア出し=ブレインストーミングでは、アイデアをたくさん出していくことが目的なので、途中で決めることを混合させるのは避けるべきです。

ブレインストーミングと決定会議を同時に行うとアウトプットが出なくなる、ということもよく理解しておくべきです。

そこで、「ブレインストーミングと決定会議の時間を分ける」というチャレンジをしました。

ブレインストーミングでは、決定をしないでアイデアの量を増やすことを追求します。逆に決定会議では意思決定者が必ず参加するようにして、「決め方を決めて、決める」というルールを徹底しました。

このようにアイデアを出す会議と決める会議を分けたことにより、社内会議を全体で11%も減らすことができたのです。

また、時間やアジェンダを分けて「決めることをしないブレインストーミング」を行ったところ、参加者の85%が満足と答えました。「アイデアを出したけれどつぶされた」という経験のある人がいかに多いかがわかります。

決定をしないブレインストーミングで出されるアイデアの量は、それまでの1.7倍になったという結果も出ました。

「ダメ出しをしない」と決めるとアイデアが2倍に

活躍社員は、会議をファシリテーションするときに「良いアイデアを出してください」とは決して言いません。ブレインストーミングはアイデアの量を出すことが重要であり、大量のアイデアの中に「良いアイデア」が潜んでいることを知っているからです。活躍社員は「なんでもいいからアイデアを出してください」と参加者の精神的なハードルを下げて、出されるアイデアの量を追求します。

ブレインストーミングで「良いアイデアを出してください」という発言を禁止する行動実験も行いました。18社が約2週間取り組んだところ、出されたアイデアの数はそれまでに比べて1.5倍に増えました。また、「ブレインストーミングでは意思決定しない、ダメ出しをしない」というルールも加えると、2.1倍にまで増えています。

ブレインストーミングでは、心理的安全性を確保して、なんでもいいからアイデアをたくさん出していくのがいい、という空気を作るのが重要であることがわかります。