カップルを“効率的に”生み出す仕掛けを考える
男女4人ずつのマッチングの例を示します。
ただ、先ほどとは違って、問題をもう少し論理的に解決するため、手続きと方法と規則を整理しながら考えていきます。一種のアルゴリズムをつくるわけです。
第1ラウンドでは、男性がいちばん好きな女性にプロポーズをします。
男性が好きな女性にプロポーズしたら、次の段階は何でしょうか? 女性にも選好度が与えられるべきです。男性の選好度が1人の女性に集中することもありえます。
そこで、女性は自分の選好度にしたがい、男性のプロポーズを受け入れるか断るかします。いちばん気に入った男性を選ぶわけです。
ただ、すぐに結婚するわけではありません。まず婚約をします。
ビクトリア朝のイギリスを舞台にした恋愛小説を思い浮かべればいいでしょう。ヨーロッパの古典的な慣例にしたがい、私たちのアルゴリズムでは、いま言ったように女性から婚約を破棄することができます。ですが、男性は一度婚約したら自分から破棄することはできません。では、例を見てみましょう。
第1ラウンドでは、男性1と男性4は女性Aに、男性2と男性3は女性Bに、それぞれプロポーズします。選好度表を見ると、女性Aは男性1の方が好きで、女性Bは男性3の方が好きですから、{1、A}{3、B}の2組のカップルができます。そうすると、男性2 と4、女性CとDが婚約していない状態で残ります。
第2ラウンドでは、まだ婚約していない男性2と4が、第2順位の女性にプロポーズします。すでに行われたプロポーズを消してみましょう。
次は男性2と4が女性Dに同時にプロポーズします。するとここで、{2、D}というカップルができます。したがって、現在成立しているカップルは{1、A}{2、D}{3、B}の3 組になりますね。
実生活と同様に「結婚後の安定性」を考慮する
実生活において、婚約はしばらく相手を観察する期間となります。結婚しても大丈夫かどうかを見守るわけです。婚約期間の観察中に、相手が結婚に合わないと思ったら、婚約を破棄することもありえます。
このゲームでは、まだすべてのラウンドが終わっていません。なぜでしょうか?
それは、「とりあえず婚約したとしても、結婚した後の安定性を考慮する必要があるから」です。それに、プロポーズを断られた男性もいるし、まだプロポーズを受けていない女性もいますから。
ここで問題になるのは男性4です。