理想の結婚相手を見つけるにはどうすればよいか。1962年に2人の数学者が発表した論文では、アルゴリズムを使い安定的な結婚相手とマッチングするための方法が紹介されている。後にノーベル経済学賞を受賞したその理論について、元オックスフォード大学教授のキム・ミニョンさんが解説する――。
※本稿は、キム・ミニョン『教養としての数学 数学がわからない僕と数学者の対話』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
数学的思考で「結婚の成功」を考えてみる
世俗的な質問から話を始めましょう。「結婚仲介業を成功させるにはどうすればいいのか?」。
これがいまの私の関心事です。どう思いますか? 結婚の仲介をするとき、どんな要素が重要でしょうか? お見合い相手の教育水準、家柄、文化、このようなことがうまくマッチしなくてはなりません。いずれも重要な要素です。行き届いた理論を組み立てるには、社会的・文化的な要素を熟考する必要があります。
ですが、いまはとりあえず単純な仲介問題、「選好度」だけにポイントを絞ったマッチング問題を考えましょう。