「金を出せば自由にモノが買える」という発想の危うさ

その背景には、韓国の政府と企業が輸出競争力を高める効率を最重要視したことがある。韓国は半導体など利益率の高い分野での生産体制を強化する一方、採算が悪化したり製造技術力が十分ではなかったりするモノは輸入に頼る方針だった。結果として、尿素水のような汎用的な資材に関しては対中依存度が高まった。ある意味では、効率性を追求するあまり経済構造に一種の歪みが出た。

そうした方針の背景には、資金を出せば、常に、自由に、必要なだけのモノが買えるとの発想があっただろう。尿素水不足によって、その考え方が常に通用するとは限らないことがはっきりした。本来であれは、韓国は資材の不足が起きる前に特定の品目が、特定の国からの調達に依存しすぎていないかを検証し、問題が発生する以前に調整をする必要があったが、それができなかった。

天然ガスや原油、農産物などを輸入に頼るわが国は、韓国の教訓を他山の石として活かすべきだ。政府や企業は特定の国への輸入依存度が高止まりしていないかを入念に検証し、必要に応じて調達先の分散などの対策をとる必要がある。それが経済安全保障体制の強化に欠かせない。

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