川口社長は「段ボールの可能性を多くの人はまだ知りません。見学にいらっしゃる会社の方には工場も見ていただいて包み隠さず、ノウハウを教えています」と言う。この市場に他社も参入してくることで段ボールの可能性が認知され、市場が広がっていくことに期待をかけているのだ。
町工場、脱炭素に向かって全力疾走
現在、コロナ禍で低迷しているイベントなどのディスプレイ事業も新型コロナが終息すれば再びイベントは増えていくだろう。その時、出展メーカーは従来通り、大量の産業廃棄物を生み出すディスプレイを使い続けるのだろうか。SDGsを掲げる企業にしてみれば、ディスプレイの見直しを進めざるを得ないだろう。
川口社長は「モーターショーなどの大型イベントで段ボールが使われるようになればいいですねえ」と期待を込める。現在、売上高の2割ほどのディスプレイ事業をさらに増やし、既存の段ボール事業を上回ることを目指していくという。
カワグチマックは本業の段ボール事業を変革することで、取引先のコストダウンと廃棄物の削減を実現し、結果的に社会全体としての低炭素の実現に貢献している。従業員100人余りの中小企業であるカワグチマック工業だが、カーボンニュートラル(CO2排出量の実質ゼロ)に向けて全力で走っている。