展示費用は従来の約1000万円から約400万円に大きく下がった。これまでの展示ディスプレイはベニヤ板などでつくられ、イベントが終われば産業廃棄物となり処理費用などがかさんでいた。段ボールのリボードはリサイクルできるので処理費用は安い。段ボールの加工や印刷もベニヤ板に比べて自由度が高く、安くつく。
高島屋でのイベントでの使用が話題を呼び、引き合いが増えていった。大型のインクジェットプリンターやコンピューター制御で加工できるカッターを2億円かけて増強し、ディスプレイ事業を本格化させていく。食品販売店の陳列棚やパチンコ店の店内ディスプレイ、大手電機メーカーの展示用ディスプレイなどに用途が広がった。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まる前には会社の売上高の2割に相当する2億円をディスプレイ事業ではじき出した。
コロナ禍で続々と生み出した新商品
コロナ禍でイベントが減り、ディスプレイ事業は苦しいが、新たな商品を生み出しつつある。冒頭で紹介したリボードでつくったリモート会議用のワークブースや机の上に置いて飛沫感染を防ぐ仕切り板、玄関に置く消毒液スタンドなどを次々に発売した。
事務機器メーカーがスチールやアルミ、木材などでつくった同じような商品に比べ、いずれも安い。不要になれば元に戻せばコンパクトに保管できる。廃棄しようとすればリサイクルできるのでコストはほとんどかからない。コロナ関連の商品だけではなく、カタログスタンドや展示棚、商談テーブル、椅子など品ぞろえは豊富だ。
今後、力を入れていくのがBtoC商品だ。猫用の「キャットタワー」などのペット商品や幼児向けのテーブルや椅子などが開発された。こうした商品は2、3年も使えば不要になってしまう。プラスチックや木製ならば粗大ごみになるが、段ボールだと崩せば処分しやすいという利点もある。