脳科学研究者の黒川伊保子さんの著書『妻のトリセツ』がベストセラーになったのは、約3年前。だが、依然として妻は夫の一言に幻滅し、コミュニケーションはすれ違ったままだ。そこで、AERA dot.とYahoo!ニュースは「夫(パートナー)に言われてもっとも許せなかった言葉」を調べる共同アンケートを実施。既婚者、事実婚の女性2000人から回答を得た。すると、夫(パートナー)の何げない一言に「許せない!」という妻の叫びが浮かび上がってきた。

(調査は9月7日から10日にかけて実施。対象はYahoo! クラウドソーシングユーザー2000人)

神奈川県に住むAさん(39)は、夫婦共働きで、1歳年上の夫と小学4年生の長男と3人暮らし。現在はほぼリモートワークだが、週に1度、会議で会社に行く日は、帰宅後、夫の態度にイラっとするという。

掃除に邪魔な夫
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「会社であれこれたまった業務を片付けると、だいたい帰宅は19時過ぎ。こっちは疲れて帰ってきてるのに、夫は毎回のように無神経なことを言うので、本当に腹が立つんです」

Aさんが帰宅してリビングに入ると、まず目に入るのは、夫がハイボール片手に薄くほほえみながら携帯を見ている姿。これは、インスタグラムでおもしろ画像を見ている時の夫の顔の特徴だ。一方、長男はYouTubeでゲーム実況に夢中。Aさんが「宿題は? 明日の学校の準備は?」と聞くと「まだー!」。ベランダには取り込まれずに夜風で冷たくなった洗濯物がはためている。この時点で、すでに気持ちはげんなりしている。

さらに、夫に「お風呂は?」と質問すると「え? まだだけど?」と携帯から目を離さずに答える。Aさんは疲れた体のまま、洗濯物を取り込み、風呂掃除をし、お湯をはり、リビングのテーブルを片付け……。徐々に増していくストレス。イライラ、イライラと動き回るAさんに、夫はソファに寝転び、携帯をスクロールしながらこんな一言を放つ。