たんぱく質のはたらきのレベルは「第一制限アミノ酸」にかかっている
たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成されています。そのうち、バリン、ロイシンなど9種類のアミノ酸は、体内でつくることができないため、私たちは食事からとる必要があります。これが、「必須アミノ酸」です。
そして、食品に含まれる必須アミノ酸の含有比率を評価する数値に、「アミノ酸スコア」というものがあります。これは、食材に含まれているたんぱく質の“質”を評価するもので、その食材に、9つの必須アミノ酸がそれぞれどれくらいずつ含まれているかを数値で表しています。
このとき、数値が100以下のものを「制限アミノ酸」といい、中でももっとも量が低いアミノ酸を「第一制限アミノ酸」といいます。
少し難しい話になってしまいましたが、食事でたんぱく質をしっかりとるためには、第一制限アミノ酸のことを意識しておくことが、とても重要です。
なぜなら、たんぱく質のはたらきのレベルは、第一制限アミノ酸によって決まってくるからです。
たとえば、9つの必須アミノ酸のうち8つが100以上あったとしても、1つでも50のものがあれば、そのアミノ酸は50のはたらきしかできないのです。
ごはん(精白米)に関していうと、9つの必須アミノ酸のうち、8つは100を超えているのですが、リジンだけが61で、100を切っています。リジンが足りていないおかげで、普通に炊いた場合、ごはんのたんぱく質は61のレベルまでしかはたらいてくれないのです。
豆乳がごはんの第一制限アミノ酸を補う
そこで登場する頼もしい助っ人が、リジンが豊富な、豆乳です。
豆乳を加えることでごはんに不足している部分を補えば、第一制限アミノ酸の足かせがはずれて、たんぱく質のはたらきがぐんと上がるわけです。
炊き方は、お米2合に対して、水100ml、成分無調整豆乳を260~270mlくらいを加えて水加減を調整し、お好みでほんの少し塩を加えて普通に炊くだけです。
水加減と火加減の具合によって、ほんのりおこげができ、うまみもアップするので味の面からもおすすめです。
同じ理由で、リジンを豊富に含んでいる枝豆をお米に加えて炊き上げた枝豆ごはんにするのもよいでしょう。
おつまみに用意した枝豆が余っていれば、炊き上がったごはんに混ぜるだけでもOKです。
いつものごはんにひと工夫することでたんぱく質のはたらきをアップさせて、病気にかかりにくいからだをつくっていきましょう。