格安スマホの会社には「3つのタイプ」がある

そもそも格安スマホの会社は3つのタイプに分かれます。ひとつはUQモバイルやY! mobileのような大手の系列子会社です。LINEモバイルも今回の流れでSoftBank on LINEという新サービス名に移行して完全にソフトバンク携帯の系列会社としてのサービスに生まれ変わります。

2つめのタイプに楽天モバイルがあります。これは第四の携帯電話会社として独自回線での新規参入を模索中の新興勢力で、データ利用料無制限で月額2980円のサービスで業界に殴りこみをかけた途上にあります。全国ネットワークの敷設に1兆円を超える設備投資が必要な最中で、いきなり持ち上がった価格大幅引き下げの動きは、楽天にとっては試練といえる状況でしょう。

そして3つめの勢力が先ほど挙げたMVNOです。主にNTTドコモから回線を借りている企業が多く、それをドコモよりも安い価格帯で再販するビジネスモデルだったのですが、大本のドコモから月額2980円のサービスが始まることでの打撃が大きく、今、その存続の危機にある状況です。

スマホの画面を確認している男性の手元
写真=iStock.com/vm
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約半数の人たちは、月間2GB以下しか使っていない

さて、その格安スマホ業界の未来を占う前に、そもそも読者の皆さんはご自分が毎月どれくらいのデータ数をお使いか、ご存知でしょうか? 調査によると大半の消費者は、キャリアと契約したデータ量(いわゆるGB)を使いこなせていないようです。私とその家族の例で説明しましょう。

まず私ですが、経済評論家で仕事では当然のように携帯はよく使います。外出先ではメール、ニュース、SNSのチェックは欠かせませんし、オンラインショッピングや外食のデリバリーサービスの利用もよくします。ただし動画と音楽のダウンロードは使いません。これで月間ほぼほぼ2GB以内です。わたしの両親も高齢者ながらスマホを使っていますが、こちらはほぼほぼ1GB以下です。

そして調査によると月間2GB以下しか実際に使用していない利用者は実は我が国全体で約半数にのぼります。

つぎにちょっと後出しじゃんけんっぽくて恐縮ですが、私はもう一台、サブのスマホを持っています。実はこちらをテザリング目的で使っていて、たとえば外出先の喫茶店でパソコンで作業をするときなどにはデータ契約の多いこちらの携帯を使います。動画のチェックなどもこちらの携帯でするのですが、月間の使用量は多くて5GB以内です。

私とは違ったライフスタイルのユーザーで、たとえばSpotifyなどと契約して毎日2時間音楽をダウンロードして聴いている人も、だいたい月額の使用料は5GBあたりになります。