自分より相手を優先するあなたは「幽体離脱中」かも

「相手のことを思って○○してあげたが、それで本当に喜んでもらえるか不安だ。なぜなら、もし喜んでもらえなかったら嫌われてしまうかもしれないからだ」
「どうやら喜んでくれたらしい。良かった。ホッとする。これでひとまず嫌われずにすむ」
「でも、本当に喜んでくれているのだろうか? 態度が怪しく見えてくる。表向き喜んでくれているけれど、内心はそうではないのかもしれない。どうしよう、もしそうだとしたら嫌われてしまうかもしれない」

そして、これが強くなっていくと常に自分よりも相手、という意識が根づいてしまいます。その結果「自分」がいなくなります。「自分」よりも「相手」を優先するあまり、自分がいなくなってしまうのです。

その状態を「幽体離脱」と私は呼んでいます。魂が自分を抜け出して、相手のほうに行ってしまった状態です。こうなると何かしていても自分がいないわけですから、自分がどんな状態なのかなんてまったく気が向かなくなります。

感情を押し殺してでも相手に合わせる必要はない

「すっごく疲れていたとしても、それを無視して仕事をしてしまうので、終わった後にどっと疲れがくる。家に帰ると寝るだけ。週末も起きられない」
「パーティがすごく苦手。いろんな人がいるので終わった後はどっと疲れてしまう。そして、自分が誰と会って、何を話したか、あまり覚えていない」
「一緒にいて楽しいはずなのに、相手の表情や態度がいつも気になってだんだん一緒にいるのがしんどくなってしまう。会いたいはずなのに、早く1人になりたいと考えてしまう」

人といるときは幽体離脱して相手の意識に注目しています。そのとき、自分が疲れていようが、元気であろうが、しんどかろうが無視されます。そして、その人と離れたとき、離脱していた魂が自分に戻ってきます。すると、幽体離脱していた間に感じていた感情がどっと戻ってきます。だからすごく疲れてしまうのです。

幽体離脱をしてしまうのは、相手との距離感がうまくはかれていないことが原因です。

自分の感情を押し殺してでも、無理に相手に合わせる必要はありません。もちろん、頑なに自分の意見を押し通すべきではありません。譲歩できる部分と絶対に譲れない部分の境界線を引き、それを相手によって使い分けるべきなのです。

ところがこの線を引けず、いつも人間関係に疲れている人は驚くほど多くいます。