「もっと社会に役立ちたい」「お金儲けはもういい」「子どもに誇れる仕事をしたい」東日本を襲った巨大な揺れは、首都圏で働く人の考え方にも影響を与えた。平生を取り戻した彼らがいま考えていることは何か。

回答者総数1377人。回答者は男性が93.4%、平均年齢46歳(20~34歳 10.4%、35~44歳 28.3%、45~54歳役員、部長クラスが5割弱。最大手、大手企業勤務が5割強。43.1%、55歳~ 18.2%)。平均年収1141万円(年収750万~1000万円層が5割)。役職はアンケートは年収1000万円以上の転職サイトを運営するビズリーチの協力を得て実施した。

家までの8時間、歩きながら考えた

仕事観
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仕事観

「震災のあった夜、都内のオフィスから横浜市にある自宅まで8時間かけて歩きました。妻と2人の子どもの無事は確認できていたのですが、自分にとって一番大切なものは何なのか、突きつけられたような気がして、居ても立ってもいられなくなったんです。家路に向かう人々でごった返す歩道を歩きながらいろいろなことを考えました。あのときの体験は、きっと一生忘れないと思います」と話すのは、外資系金融に勤める村松隆さん(37歳)だ。

激しい揺れの最中、あるいは被災地の惨状を目の当たりにしたとき、「自分にとって一番大切なものは何か?」と多くの人が自問自答したのではないか。被災地の人々は言うに及ばず、地震の被害がなかった地域でも、震災を経て、仕事観や人生感に何らかの変化があった人がいるに違いない。

そこでプレジデント編集部では、6月末に「震災後の仕事観、人生観に関するアンケート」を実施した。

「震災後、仕事観に変化があったか?」という問いに対して、5割強(54.5%)が「変化あり」と回答した。個人差はあるにせよ、そう簡単に「仕事観」が変化することは考えづらいことからも、5割強というのはかなり高く、震災の与えたインパクトの強さが読み取れる。

具体的にどのような変化があったのか。

「変化あり」と答えた人のうち6割弱(56.9%)は、「仕事を通じて社会貢献をしたいと考えるようになった」と回答。とりわけ35歳以上でこの比率が高かった。また「安定した給料より、自己実現ができる職に就きたいと考えるようになった」と回答した人も3割(31.4%)に及んだ。この結果から「仕事観に変化あり」と答えた人は、仕事を通じて社会貢献や自己実現できる可能性をより重視するようになったということができるだろう。