仕事は想定外のことが起きるのが常ですから、問題が起きれば上司はすぐに部下の相談に乗り、共に検討して解決策を見いだす役割を果たしていくことになります。
働き方が転換期を迎える今、管理職層に最も必要なことは、プロセス管理を中心とした評価や査定だけでなく、結果から判断するマネジメントへの転換です。また進捗プロセスのチェックよりも、求められたら助言や支援を行い、部下が仕事に取り組みやすくなる伴奏者になることです。
「部下の必須スキル」は“先手の報連相”
自己管理ができる優秀な社員が、これまでと変わらない上司と企業の対応に見切りをつけてしまう。リモートで意思疎通が減り、若手社員が孤独を感じてしまう――。こうしたことをきっかけに起きる人材流出は、社員にとっても会社にとっても不幸なことです。
テレワークが認められているのに、出社している若手社員がいます。彼らがそうなる理由は、「テレワークだけで、自分は上司から正しく評価してもらえるのだろうか」「仕事をさぼっていると思われないか」といった不安があるからです。こうした職場も互いに不幸です。
自己完結型の仕事をする部下と違い、管理職の仕事は部下がいてこそできる仕事です。部下たちの働く姿を見ることができず、慣れないテレワークで職務を続けることは、上司にも相当なストレスと不安があります。
テレワークに代表される新しい働き方では、管理職層が仕事の仕方を変える必要がある一方、管理職のもとで働く社員たちにも求められることがあります。
・仕事の進捗状況やプロセスが見えない上司には、求められる前に部下の側から報告を入れる。
・外出先からでも対応できるスケジュール管理やファイル閲覧、社員間で情報共有できるツールなどに上司も参加しやすいように協力する。
・わからないことや支障が生じた時には、すぐ上司に相談する。
こうした対応をしていけば、上司も安心して部下を支援できます。
これからまだしばらくはCOVID-19と共存することになり、私たちは最適な働き方を模索しながら仕事をすることになります。これからの社会は、出社とテレワークを組み合わせていくことは間違いありません。
行き違いを少しでも減らすために、上司は社員のやる気をそがないように心掛け、社員も上司の心理を踏まえた行動が求められてきます。