5.自宅で仕事をする環境にない

自宅に自分の部屋やスペースがない。子供が夏休みなどで家にいる時は騒がしくて、仕事に集中できない。夫が自宅にいることを妻が嫌がる。

こうした理由から、自宅で仕事ができないミドルエイジは結構存在します。本当はテレワークをしたいのに、出勤している人も少なくありません。

6.自身の存在感が希薄化する

管理職は会社に出勤すれば部下たちは自分に頭を下げてくれ、周囲ににらみを利かせることができます。会社にいることで満足感を得ていた人がテレワークになると、自身の存在が希薄化したように感じる人が出てきます。従来どおり出社することを望む管理職には潜在的に潜んでいる心理です。

イマドキ上司に求められる「部下の伴奏者」

働き方の選択肢としてテレワークが位置づけられるようになれば、リアルを前提にしたマネジメントには限界が生じます。旧来のままでは管理職層である上司と部下の関係には軋轢あつれきが生じ、業務に支障が出る場合もあります。

階段を上る3人のビジネスパーソン
写真=iStock.com/metamorworks
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会社とは社員全員がそこに集まって仕事をする、ある面で強制されている場所です。会社には部下たちを「管理」する管理職がいて、部下たちの仕事を目の前でチェックします。同じ場所で働いていますから、上司が部下の仕事の進捗状況を確認するには、その場で声を掛ければ済みます。

社員は仕事の内容や進め方について上司に確認しながら進めることになりますから、どうしても「受動的」になり、時に「指示待ち」する社員が生まれる場合もあります。

その一方、テレワークでは管理職層の上司と部下たちは同じ場所で仕事をしていません。部下に指示したり確認したりする際には、「Zoom」や「Google Meet」などのオンライン会議システムやビジネスチャット、そしてメールなどを使い分けてやり取りすることになります。部下は目の前にいませんから、従来のように上司から部下に頻繁にやり取りすることはできなくなります。

詳細な指示、命令では逆効果

社員の側も出社時のように上司から詳細な指示は出ませんから、「受動的」で「指示待ち」でいては仕事ができません。「自発的」に考え「計画的に仕事を進める」ことが社員にも欠かせなくなります。

テレワークで管理職層に求められるのは、詳細に指示や命令をするのではなく、部下が自発的に仕事に取り組めるように支援するスタイルに転換することです。

そこで必要になるのは、

●社として求められている成果や結果を明確化する
●よい結果を生むために必要な作業手順(作業プロセス)を導き出し、チームと社員がそれぞれ共有化する
●作業プロセスごとに、チームメンバー各人が、なにを、いつまでに、どのようにして達成するかを決めて仕事に取り組む

という流れにすることです。