心を整えるには、なにをすればいいのか。医師の石川陽平さんは「アップルウォッチには『呼吸』という瞑想をするためのアプリがある。瞑想は医学的にも効果が証明されており、ぜひ生活に取り入れてみてほしい」という――。

※本稿は、石川陽平『うつうつしなくなる』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

瞑想をする人
写真=iStock.com/Prostock-Studio
※写真はイメージです

瞑想とは、今この瞬間に全集中すること

瞑想のコンセプトは、意図的に、今この瞬間に、価値判断をすることなく注意を向けることとされます。とはいえ、これだけ言われても「???」という感じだと思うので、もう少し噛み砕きます。

私達は毎日を生きるために、未来のことを考えたり、過去のことを思い返したりを繰り返しています。「来週、嫌な仕事を振られた」というケースだと、

・未来=うまくできるだろうか? という不安、心配
・過去=何でこんな仕事を振られてしまうのだろう? という怒り、自己嫌悪

というように、未来の不安・心配と、過去の怒り・自己嫌悪を無意識に行ったりきたりしてストレスが溜まってしまうのです。

瞑想では、そんな未来や過去のことは一度取り払い、今、この瞬間そのものに目を向けようとします。例えば、呼吸に全集中して、鼻から吸っている空気や、口から出ていく空気、広がっていく肺に意識をむけて、呼吸のことだけで自分の頭の中をいっぱいにします。そうすると、未来や過去を往復していくことから完全に離れ、今、この瞬間に集中することができます。

さらに、この方法でリセットすることで、「自分に溜まっていたストレスは、未来と過去のことが大半だったのか」と気づくこともマインドフルネスの効果のひとつです。