子供がワクワクする要素満載

“ガリガリ”っとした食感がポイントのアイスキャンディーに、子供がワクワクするような楽しい名前をつけるために、「君」をつけて「ガリガリ君」とした。商品名に「君」をつけたことで、急に人間っぽさが出てきたため、絵の得意な社員がガキ大将をイメージしたキャラクターを描いた。こうして81年、「うまい」「やすい」「でかい」しかも当たり付き! といった、子供がワクワクする要素を盛り込んだ新商品が誕生したのである。気になるところは、後に人気低迷の引き金となってしまう誇張し過ぎたガキ大将(中学3年生)のキャラクターイメージだが……。

ガリガリ君
筆者撮影
ガリガリ君ソーダのかき氷部分

50年頃までは、水にサッカリンなどの甘味料を混ぜたものを金型へ流し込み、割り箸を突っ込んで冷やし固めて作るカッチカチのアイスキャンディーが全盛期だった。そこから約30年後に、ガリガリ君はアイスキャンディー界の常識を覆した。金型にアイスキャンディーの原料を流し込み、シェル(膜)を作ってからその中へガリガリっとした食感の味付きの氷を流し入れるアイデアを社内で提案し、独自路線の商品開発を成功させたのである。

ガリガリ君
筆者撮影
ガリガリ君ソーダは2層構造で初めて食べたときのインパクトは大きかった

史上初となる新食感アイスキャンディーが誕生し話題に

外側がアイスキャンディーで、内側がガリッとした歯ごたえという食感のリズムが心地よい二重構造。断面を見てもらうとわかるが、かき氷をアイスキャンディーで包んでいる。見た目はごく普通のアイスキャンディーなのに、食べると新食感なのだ。

ガリガリ君
筆者撮影
ガリガリ君の断面図(左)ソーダ(右)40周年記念フレーバーうめ

みなさんはガリガリ君を何気なく口にしていると思うが、今までカッチカチのアイスキャンディーになじみが深い世代からすると、外側と内側の食感が違うアイスキャンディーは斬新だった。初めて食べたときのインパクトは誰の記憶にも残ったに違いない。

私もその一人だ。1歳1カ月で初めて食べた「ガリガリ君」のソーダ味の、ガリガリッとした食感は今でも覚えている。ちなみに、ガリガリ君ソーダ味の青色は赤城乳業ではガリガリブルーと呼ぶソーダ(そうだ)。

ガリガリ君を食べる
編集部撮影
プレジデント社でガリガリ君ソーダを食べるシズリーナ荒井