消費者調査で明らかになった気づき

「ガリガリ君」というあのメインキャラクターのイラストイメージが恥ずかしい……。

消費者調査でメインキャラクターのイラストに対して若い女性たちのツッコミが入った。

・「歯茎が気持ち悪い」
・「汗が泥臭い」
・「田舎臭い」
・「恥ずかしくてレジへ持っていけない」

などなど。あのイラストからニオイまで感じ取れる女性のイマジネーション力に拍手を送りたい。おまけに「絶対に買わない!」という意見まで飛び出し辛辣しんらつな酷評が相次いだのだ。

思い出してほしい。あのイラストは赤城乳業の社員が当時のガキ大将(中学3年生)をイメージして書き上げたデザインだ。その社員が出世して重役になっていたら、こんなことは口が裂けても本人へ伝えられない。しかし、今回は消費者調査で明らかになった結果を報告するということであれば、話が違う。しっかりと消費者の意見を取り入れ改善へと道が開かれるきっかけになるに違いない。しかし、ここですごいのがアイス自体の“評価”は“氷菓”だけに高かった……(自分もダジャレは抜けないタイプ)。

ガリガリ君
筆者撮影
 

ガリガリ君は2000年に「永遠の小学生」へ

そこで、2000年に赤城乳業は「ガリガリ君」のフルリニューアルを決行し、別次元のキャラクターに生まれ変わる。設定もそれまでは中学3年生のガキ大将だったが、永遠の小学生と設定が更新され、21世紀にふさわしいかわいらしいイラストイメージに仕上がった。このキャラクターに合わせて、テレビCMで音楽グループのポカスカジャンが歌う強烈な「ガリガリ君」の名前を連呼するCMソングを初めて流し続けた結果、年間販売本数1億本の大台を突破! CMソングが人気となりCD化(03年)まで果たした!

ここからガリガリ君の大逆襲が始まる! 02年には今でも人気の「梨」を筆頭に、「温州みかん」「ピーチ」「さくらんぼ」「ウインターホワイト」と怒涛の新フレーバーラッシュを繰り出した。さらに、05年には「ガリガリ君」のキャラクターを生かしたマーケティングの強化に着手した。『コロコロイチバン!』(小学館)で連載を持ち、ビデオゲーム「新・ボクらの太陽 ~逆襲のサバタ~」(コナミ)で企画コラボや「携帯ストラップ」・「入浴剤」(バンダイ)といったグッズの企画制作から販売まで幅広く展開している。

まさに、ガリガリ“君”ではなく、ガリガリ“様”と呼ぶべき売れっ子タレントのような位置付けになっている。まるで日本テレビの長寿番組「笑点」に登場する座布団運びの山田くんみたいだ。表では山田“くん”だが、裏では山田“様”……。ガリガリ君としてバラエティー番組に登場する日は遠くないのではないか。