読売社説は政府に「自治体や企業との緊密な連携」を求める
7月8日付の読売新聞の社説は「コロナワクチン 国は円滑な供給に全力挙げよ」との見出しを付け、こう主張する。
「ワクチン供給の目詰まりを早急になくし、幅広い世代に接種を促していくことが大切である」
「政府は自治体や企業と緊密に連携し、供給見通しを明確に示すとともに効率的な配分に努めるべきだ」
菅政権には「効率的な配分」を行ってほしい。そのためにはどこでどうワクチン接種が滞っているのかなど実態を正確に突き止めることが必要である。
職域接種の停止について、読売社説は「市区町村の接種では高齢者が最優先になっており、従業員や学生の感染リスクを減らす職域接種に期待が集まるのは当然だ。政府の想定が甘すぎたと言える」と批判し、こう訴える。
「現役世代への接種が広がれば、経済や社会活動の本格化に弾みがつく。政府は、受け付け再開に向けて、ワクチンの確保や申請内容の精査を進めることが急務だ」
多くの自治体や企業が「はしごを外された」
さらに読売社説は「『1日100万回』を目標に、接種体制の拡充を求めてきた政府に応じて、自治体や企業は会場や医師確保の準備を重ねていた」と指摘し、こうも批判する。
「それにもかかわらず、ワクチンが届かないのでは、『はしごを外された』と憤るのも無理はない。政府の不手際と言うほかない」
政府の失敗で、多くの自治体や企業が「はしごを外された」のである。菅政権はその責任をどう考えているのだろうか。
読売社説は「政府は、市町村が大量の在庫を抱えていると指摘している。一方、市町村側には、確実に2回目を接種するため、必要分を保管しているという事情もあるのだろう」とも指摘したうえで、こう主張する。
「政府は、自治体と情報を共有し、接種状況や在庫をきめ細かく把握しなければならない」
同感だ。肝要なのは接種状況とワクチン在庫の把握である。