OMOとBEBの成否が問われている
その観点ではブランドの混乱は短期的な経営者マターの課題であって重大な問題ではないかもしれません。むしろ重たい課題は、「このクオリティでターゲットである中流層や若者層がリピートするのかな?」という点ではないでしょうか。
要するに「OMO」と「BEB」は星野リゾートにとってこれまでと違う顧客層をターゲットにした新規事業なのです。市場が大きいからそこに出ていったのはわかります。でもこのやり方で成功できるかどうか。そこが今、問われているのだと思います。
あくまで絶好調の状況下での死角ということですが、昨年の星野リゾートを支えていた需要である富裕層は海外へ戻り、中流層は一時的なものになったとしたら。そしてサブブランドでこれから長い苦戦が始まるとしたら。もしそんなことが起きたら、絶好調のリゾートブランドも決して盤石ではないかもしれない。そんなことも想像しながらも、それでも今の旅行業界全体の中で考えれば、星野リゾートの躍進は素晴らしいと思います。