感染しても軽症か無症状「高熱出る可能性が高いから、打ちたくねぇ」

前にも述べたように、若い人たちは新型コロナをあまり恐れていません。それは当然でほとんどの人が感染しても無症状や軽症だからです。20代までの死者数はまだ一桁です。

そして、ワクチン接種の2回目の際、若い人のほうが38度以上の発熱や頭痛が起こるということがわかっていて、若い女性に関しては2割程度にのぼるということが巷で言われています。実際、20代女性の37.5度以上の発熱はなんと5割を超えると厚労省も発表しています。インターネットが情報源である若い人たちは、すでにこのことを知っています。

ワクチン拒否の概念
写真=iStock.com/Fernando rodriguez novoa
※写真はイメージです

「新型コロナに感染しても軽症や無症状なのに、なぜ高熱や頭痛が起きる可能性があるワクチン接種を行わなければいけないのか」

このように若い人が考えることは、何ら批難されることではありません。「ワクチン接種によって新型コロナに感染や重症化しにくくなる」というメリットだけでは、若い人たちがワクチン接種を嫌がることが容易に想像できます。

若い人たちは現在、自由に出歩けないことや、仲間同士で集まったり、会食したりすることができないことに、非常に大きなストレスを感じています。

「じゃあ仕方がない。接種を受けるか」と思えるメリットを与えよ

であるならば、イスラエルのように、ワクチン接種を2回終えた人には「ワクチンパスポート」を渡して、そのパスポートを見せれば、自由に出歩くことも、数人が集まって外食することもできるようにする。そして、こうしたワクチン接種のメリットを政治家が公言すればよいのではないでしょうか。

現在、ワクチン接種「じゃあ仕方がない。ワクチン接種を受けるか」に後ろ向きの若者も、こうしたメリットがあるのであれば、と考えを変えてくれるかもしれません。

日本は、良い情報に比べて、悪い情報ほど早く大量に出回る国です。だから、ワクチン接種の副反応などの悪い情報だけでなく、自由に出歩いて会食もできるようになるといった、ワクチン接種の良い情報を積極的に喧伝していくべきなのです。

もし政治家が、こうしたメリットを与えることも、それを広く公言することも行わなければ、ワクチン接種率はかなり低い数値でストップしてしまう可能性があります。

WHOは、市民生活を取り戻すことができる「集団免疫」という状態について、「正確にはわからないものの、世界の人口の70%を超える人がワクチンを接種する必要がある」という見方を示しています。

日本の人口の70%以上の人がワクチンを接種するためには、20代、30代の人たちのワクチン接種率がカギを握ると考えられますが、こうした若い人たちのことを考えた対策などが、きちんと立案、計画されているのか、非常に不安です。

これまでの新型コロナ対策は、あまりに場当たり的で、計画性も戦略もなく、何が起きそうかの想定もなく、長期的な展望もない、といったものでした。日本がそういう国であることを改めて目の前に突きつけているのが、現在の新型コロナ禍なのです。

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