外国人選手が異国で目指したメジャー制覇への挑戦記
英語がほとんどわからず、アメリカに足を踏み入れたことさえなかった外国人選手が、いろいろな人々と出会い、いろいろな形で助けを得ながらビッグな栄冠をつかみ取ったことは、世界中のジュニアやヤングゴルファーに勇気と希望をもたらしたのではないだろうか。
もしもラームがアメリカに来ていなかったら、アリゾナ州立大学ゴルフ部に入っていなかったら、ミケルソン兄弟やケリーと出会っていなかったら、彼の全米オープン制覇は成されていなかったのかもしれない。
言葉がわからなくても、異国の地でも、人と人が出会い、歩み寄れば受け入れられ、何かが始まる。嫌なこと、つらいこと、受け入れがたいことであっても、前向きな姿勢で現実を受け入れれば、その先の未来では「何かいいこと」が起こる。
トーリーパインズの練習場でプレーオフに備えていたラームを見守りながら、愛妻ケリーとミケルソンが笑顔で交わしていた会話は、やっぱり、こんなフレーズだったのではないだろうか。
「ずいぶん、いろんなことがあったけど、本当に良かったね」
外国人選手が異国で目指したメジャー制覇への挑戦記。物語の最後は、みんなが笑顔で振り返るハッピーエンドだった。