「会社のロゴを手描きにしたい」社長室で何度も直談判
こだわり抜いた末に選んだ、16種類のデザイン。でも彼女たちの挑戦は、まだ終わりません。「それぞれのデザインに、名前を付けようか?」や、「裏面のバーコードや品質表示の欄にも、手描きを取り入れよう」となり、ついには「そうだ! 会社のCIロゴも、手描きにしたいね」となった。
これには、さすがに当時の社長(佐藤章氏)も、「それ(CIロゴ)だけはちょっと」と当初は難色を示したそうですが、「とにかく何度も社長室を訪ねて、『私たちはユーザーの皆さんの生活になじむ、雑貨のようなデザインを目指したいんです』と直接訴え続けました」と寺島さん。
こうしたこだわりに、結果的には社長も首を縦に振り、温もりを感じさせる「暮らしになじむ」デザインが創られていきました。
重要視した2つのキーワード
一方、メインターゲットが「飲料をLOHACOなどネット通販で箱買いしてくれそうな、20~40代女性」と決まり、中味に関わる重要なキーワードも2つ、浮かんだそうです。
それが「健康」と「冷える生活環境」。とくに後者は、冬だけでなくクーラーを使用する夏場も含めて、多くの30、40代女性が一年中、悩みとして挙げていたといいます。
また「健康」は、ターゲット女性が箱買いして毎日のように習慣的に飲むものを考えて浮かんだキーワード。社内でブレーンストーミングすると、「健康なら、やっぱり無糖でしょ」や「カフェインレスじゃない?」などの意見が出て、ほどなく「麦茶」に落ち着いたと寺島さん。
商品名はムーギー、コンセプトは「冷える生活環境で過ごす女性の味方」に決まり、麦茶をベースに、ぬくもり素材の生姜やレモングラス、カモミールをプラス(16年発売当時)しました。