●女子学院中学校・高等学校学院長 鵜﨑 創さん

A1:探し求める力。

どのような環境に置かれても、その中で自らに与えられた場を見いだし、使命感を持って行動することができるようになることが大切です。社会や組織の歯車となって、言われたことを淡々と繰り返すのではなく、目的意識を持って、なすべきことを常に探し続けることができるようになれたらよいと思います。コロナ禍の経験からも学んだように、変化する社会を生き抜くためには、望みどおりにならないことがあっても、あきらめるのではなく挑戦し、自分自身にできることを探し求める力が必要です。

A2:考える機会を大切にする。

探し求めた先に何があるのか。与えられた答えではなく、自らつかんだ答えに出合ったときの喜びは格別です。多少時間はかかっても、自ら探す時間を与えてやってください。ただし、見つけた答えが好ましいものではなかったときには、何がよくないのか共に考える機会を持つとよいでしょう。この話し合いの中から、思考力、想像力が育っていきます。

●ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン マイケル・ファーリー氏

A1:人、コミュニティー、そして自然とのつながりを理解し、共同する力。

私たちハロウスクールは英国で生まれ450年の歴史を持ちます。教育のビジョンは常に、未来のさらに先を見据えて作られ続けています。その中でも「勇気」「高潔」「謙虚」「盟友」、これら4つの価値観は、リーダーの持つべき特質として、ハロウの教育に深く取り入れられています。若者が成人期に成長し、世界的な危機がまた起きた際に、その問題を解決する立場となったときに、これらの4つの価値観は、必要不可欠な力であり、問題を乗り越える役に立つでしょう。これらの力に加え、テクノロジーを正しく使いこなす力が必要なことはいうまでもないことでしょう。そこには、テクノロジーから距離をおくことができる力も含まれています。人と直接過ごす時間は、子供たちが深い絆を築くためにも大切な時間であり、この時間の積み重ねが「仲間意識」へとつながるのです。

A2:自然の中で思い切り遊ばせてください。

子供たちに必要になる力である、コミュニケーション、コラボレーション、異文化理解、レジリエンス、そして自律の力を家庭で育成することは可能です。たとえば、市内または自然の中へ家族で1日自転車遠征に出るとか、一晩キャンプしてみる(裏庭でしたっていいでしょう)、キャンプファイヤーで夕食を作ったり、公園で葉や木の実を拾ってきて創作したり、少し手を伸ばして、珍しいペット(カブトムシ、トカゲ、ヘビ)を飼うこともできます。これらの経験で、子供が大人とコミュニケーションを取り、協力し、新しい知識を習得し、経験を広げるだけでも大きな学びとなるのです。

【学校が注目している卒業生】

樹 グローバル企業 管理職の候補

[推薦の理由]ハロウバンコク校を卒業し、エジンバラ大学で国際関係論を学んだ日本人の卒業生です。彼はハロウに入学したとき、スポーツにしか興味のない生徒でしたが、ハロウの先生方の指導や、さまざまな仲間との出会いが、彼の視野と世界を広げていきました。現在は、フォーチュントップ200にランクインしているグローバル企業の人事部門で働き、管理職の候補として日々さまざまなことに挑戦しています。彼は、ハロウの教育から得た仲間意識と、共同する力を実践し、グローバル企業で、多様なバックグラウンドと価値観を持つ同僚と働いています。

サニー 建築家

[推薦の理由]ハロウ香港校の卒業生で、シンガポールで働く29歳の建築家です。熱心で、いつも人の助けになり、常に挑戦する学生として覚えています。彼女は数学と科学を非常に得意としましたが、同時にファッション、アート、デザインへの情熱がありました。進路としては創造性と学問的才能の両方を活かせる「建築」の世界に進みました。彼女はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで訓練を受け、さらに専門的な訓練のためにアメリカに移住しました。世界的にも有名な建築関係の大企業に就職し、病院、ホテル、学校の建築を手がけています。

(構成=松本史)
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