おひとりさまの在宅死と孤独死は別もの

ひとり暮らしで最期を迎える場合、介護士や看護師などが訪問中に息を引き取ることもありますし、おひとりで亡くなって、翌朝に訪問した看護師や介護士が見つけるという場合もあります。

中村明澄『「在宅死」という選択』(大和書房)
中村明澄『「在宅死」という選択』(大和書房)

ただ、いずれにしても在宅ケアに携わってきたチームみんなで支え見守った最期ですから、たとえ、おひとりのときに逝ったとしても、孤独死ではないのです。

また、ひとり暮らしの方が、おひとりのときに亡くなった場合でも、在宅医が関わっていて、老衰や末期がんなど死に至る病気の経過があり、その病気で亡くなったことが明らかであれば、在宅医は死亡診断書を発行できるため、自宅に警察が来ることはありません。

ですから、おひとりさまであっても、暮らし慣れた場所で、安心して穏やかな死を迎えることができます。

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