働き方を選ぶときにぶつかる壁

変化が激しい時代では、「働き方」に関する情報が溢れていて、選ぶのが難しくなっています。ここで掲げた3つの類型は、どれが正解というものではありません。人によって合う・合わないがありますし、人生のステージによって柱の形が変わることもありえます。

ただ、大事なのは、「人から必要とされるからこそ、働き方を選べるようになる」ということです。

「本業に集中」か「副業に挑戦」、あるいは「複業」なのか。自分にとってはどれがピッタリくるのだろう……など想像されたことと思います。

先ほど「選択の自由度は、人から必要とされる度合いに比例する」というお話をしました。では、働き方を選ぶ上でどういう壁にぶつかりやすいのでしょうか。

私は、これまで人材育成の仕事で、5万人以上と接してきました。そこで、中堅以上のビジネスパーソンが働き方を選ぶ際に「よくあるお悩み」をざっと整理してみました。

①そもそも、どんな選択肢があるかわからない
②思うように評価されない
③セルフブランディングができていないことに焦る
④今の会社にやりがいを見いだせない
⑤予定を埋めすぎて時間の余裕がない
⑥SNSで他人と比較してしまう

これらについて、よく陥りがちな落とし穴とともに解説していきます。

①そもそも、どんな選択肢があるかわからない

現状を変えたいと思ったら、まずはいろいろと調べてみようと思うのは自然な流れです。ただ、そこでの注意点は、情報収集と勉強自体が楽しいために、それにハマってしまうことです。

情報収集と勉強だけを続けていても、目の前の世界は変わりません。行動しなければ現実にインパクトは起こせないのです。

手元に情報が増えるほど、頭でっかちになり、一歩が踏み出せないままに時間ばかりが経ってしまいがちです。

②思うように評価されない

ウェブの記事で「スキマ時間にできるお小遣い稼ぎの副業」は、人気ジャンルの一つです。また、キャリアアップのために、本業へ注ぐエネルギーを抑えて、自己研鑽に力を入れる人もいます。

副業や自己研鑽については、いきすぎて本業がおろそかにならないよう、注意が必要です。目の前の仕事で評価されない原因がわからないまま、他で頑張るだけではなかなか光が見えません。

③セルフブランディングができていないことに焦る

インフルエンサーの情報発信を見て、そっくり真似て実行する人がいます。ただ、誰かの情報発信をそのまま同じようにやったからといって、うまくいくとは限りません。情報発信は、あくまでも手段の一つです。SNS上での影響力を発揮することばかりにエネルギーがいくと、中身を磨くのがおろそかになりがちです。